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鉄谷不動産鑑定事務所


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有限会社 トポロジー

 

 

利回りについて

利回りとは?

 

不動産の価格(収益価格)は次式により求められます


不動産の価格=「k年目の収益の現在価値」をk=1からnまで合計したもの

ここで収益は、収益=収入―費用で、収入には売却額も含まれます。

 

k年目の収益の現在価値は、利回りrがわかっている場合、次式で求められます。
k年目の収益の現在価値=k年目の収益÷(1+r)のk乗

 

従って、逆に、利回りrは、不動産の取引価格とその収益(賃料等)を調べることによって求めることができます。

利回りの求め方


ある不動産価格を求めるために、マーケットでは多くの市場参加者が、次の作業を行っています。

 

1. マーケットで実際に取引された不動産取引の事例(取引事例)となっている不動産の将来の収

益を予測する。
2. 取引事例の価格(取引価格)と予測された収益から市場の利回りを決定する。
3. 価格を求めたい不動産(対象不動産)の将来の収益を予測する。
4. 決定された利回りと予測された収益から対象不動産の価格を求める。

 

上記で特に重要なのは、1.と3.で収益を予測していることです。
この関係で次の2点で注意が必要です。


1. 市場が考えている収益の不確実性
「k年目の収益の現在価値」はその収益が不確実であればあるほど低くなりますので、利回りは高くなります。従って、2.で市場の利回りを決定するためには、市場が考えているであろう不確実性でもって収益を予測しなくてはなりません。市場の見方と比較して、楽観的てもだめですし、悲観的でもだめなのです。言い換えれば、市場の利回りではなく、市場参加者個人のマインドに基づく主観的な利回りは、その予想が楽観的な場合は高くする必要がありますし、悲観的な場合は低くする必要があります。

 

このホームページで不動産の収益計算ができるようになっています。これをもとに不動産の価格(収益価格)を求めることができるのですが、この収益計算にデータを入力する人のマインドによって利回りが変わってきますので、あえて当方で提示する固定的な利回りで価格を求めるようにしていません。

 

2. 取引事例と対象不動産のそれぞれの収益の不確実性
上記理屈からいけば、取引事例と対象不動産は同じ利回りを使うことになるので、取引事例と対象不動産の収益の不確実性は同程度でなくてはなりません。従って、取引事例については、対象不動産の収益の不確実性と同程度のもの、言い換えれば、地域、用途、建物の構造や規模等できるだけ類似の取引事例を採用しなくてはなりません。


余談になりますが、戸建住宅の価格を賃貸マンションやアパート等と同じ利回りで求めようという試みがなされていますが、この場合、戸建住宅の収益は、大抵の場合、戸建住宅を他人に貸した場合の賃料をもとに求められます。しかし、所有者自らが住む戸建住宅の場合の収益は、所有者自らに払う賃料がもとになるので、他人からの賃料がもとになる収益と比較し、不確実性がまったく違います。

従って、これらの試みは、やはり戸建住宅は高めに取引されているという確認の意味しかありません。

債券利回りから求められるか?

不動産の利回りは、割引国債の利回り(リスクフリーレート)に不動産のリスクプレミアムを加えたものです。不動産にかかわらず、資産のリスクプレミアムは、リターン(収益)のリスク(不確実性)が大きいと大きくなり、資産の利回りも大きくなります。資産価格を一定にすると、これはリターン(収益)が大きくなることを意味します。

従って、リターン(収益)とリスク(不確実性)には一定の関係があるので、不動産市場はもちろんのこと、債券市場、株式市場等の他の投資市場におけるリスクとリターンの関係で不動産の利回りも求められると言われています。

しかし、前述したように、同じ不動産市場内でも、リスク(不確実性)の比較が困難なことが多いのに、まして不動産とは異なる性格の投資対象との比較は、ほとんど不可能でしょう。

実際、不動産の流動性リスクをほぼ取り除くことに成功し、最も不動産に近い金融商品であるJREITの利回りは、ユーロ建世銀債(格付AAA)の利回りとほぼ同水準ですが、これは市場で裁定が働いた結果であると言えるか、疑問を感じることが多いのです。

それぞれの市場でのプレーヤーも異なれば、同じプレーヤーでも分散投資による安全性を考えて両者をまったく別の投資対象と考えているのではないかとも考えられるからです。

もちろん両者が明らかにバランスを欠くような関係になったときに激しい価格変動が起きることは明らかですが・・・。

確率論で求められるか?

リターン(収益)のリスク(不確実性)を求めるために、収益の不確実性を細かく分類し、例えば、賃料変動率、空室率等に関する過去データを収集して平均値とその不確実性(標準偏差)を求め、不動産の収益全体の平均値と標準偏差を求める(主にモンテカルロシュミレーションと呼ばれる手法が使われる)ことにより、不動産その他の投資対象のリスクリターンと比較しようとの試みが研究されています。しかしながら、現実問題としてこの方法はかなり困難です。

本当の乱数発生が困難なことや計算時間等がかかること等の技術的な問題、すべての不確実性を網羅できない問題、それぞれの不確実性の原因となっているデータの内部相関の問題、さらにこれらの問題に加え、類似不動産の過去データの収集が非常に困難であるからです。不動産の場合は、現在のデータの収集でさえも時間とコストがかかります。まして、過去のデータとなると資料が限定され、さらに困難なものとなります。

 

確率論等で価格を求めることは、多数の参加者が同じような思考をおこなっているような市場(オブション市場等)では意味があるのですが、不動産の場合、数十億円、数百億円以上のものを投資対象とする極めて限定された少数のプロしか参加できないような市場でも、彼らがそのような思考で行動しているようには思えません。

賃料を利回りで割って価格を出すという最も単純な手法の方が、的を得ていることが多いのが不動産市場なのです。

最近では、価格を求める手法として、DCFや確率論的DCF等、いろいろと提案されていますが、提案されたものが市場に受け入れられ、市場参加者の思考と一致して、はじめて採用できる手法なのです。おそらく、現時点では、確率論的DCFは、複雑すぎて市場では受け入れられないと思われます。(もちろん市場のうらをかくために行うのであれば意味がありますが・・・・。)

 

金融の世界では、標準偏差から数式により、デリバティブの価格を求めることに成功しました。これにより、今まで価格査定の不可能であった選択権(オプション)に価格を付けることが可能になり、オプション市場が形成されました。

オプション価格の決定には、その原資産価格の標準偏差(ボラティリティV)がとても重要なものになるのですが、実際の市場では、もはや、Vの過去データ(いわゆるヒストリカルボラティリティHV)はそれほど意味をなしているとはいえません。(注)

むしろ、市場参加者は、今後の標準偏差(ボラティリティ)はどうなるかということも含め、現時点でのV(いわゆるインプライドボラティリティIV)にもっぱら関心があるのです。(結局、IVを売買しているのがオプション市場です)

そして、このIVを数式で即座に計算できるような資料を提供する、オプション価格とその原資産価格、それぞれの取引市場が存在しているのです。その結果、IVのみならず、HVも簡単に計算できるのです。結局、オプション市場の成功は、数式の発見もさることながら、流動性と透明性のある取引市場の存在に負うところが多いのです。この点で、流動性や透明性が極めて劣る不動産市場の場合は事情が大きく異なります。

 

(注)HVがまったく意味がないとは思いません。例えば、時間が経過すれば、IVは常に小さくなると信じて破綻したヘッジファンドLTCMは、数式を重視するあまり、HVを軽んじたためなのかなという気がします。数式だけで途方もないお金を賭け、金融の世界に打って出たという意味で興味深い話なのですが、無限を扱う数学の世界と有限の我々の世界とのギャップ(結局のところ、他のすべての理屈は正しいが、追加証拠金が足りなかったという単純な理由)がこの事件の背景にあるような気がします。

法律では禁止されいるねずみ講ですが、必ずと言っていいほど、定期的に社会問題を引き起こします。これも人間の数は無限だという我々の錯覚を利用したものなのでしょう。

 

 

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